歳月


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モデルは熊野古道。林の中の石端にはこけが生え、長い年月を感じさせる。円形は白く霞み、かすかに木が並んでいるのか見える。

2007年  P50(1167mm x 803mm)

 ずっと昔からある祈りの道。どれくらいの人がこの石段を踏みしめて行ったことだろう。それぞれの人の、様々な思いが染み込んだ、長い長い歳月を経てきた道…。その歳月の上に、現在(いま)の日差しが穏やかに差し込んでいる。そんな石段の道を、僕も楽しみつつ、苦しみつつ、踏みしめながら描いた気がする。
 僕の絵は絵画的にはちっとも面白くない絵かも知れないが、こんなふうな、しみじみとした風景画があってもいいのではないかと思っている。

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