時雨るる


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泥にまみれたようなセピア色の画面。恐竜の背骨のような深く荒々しい轍が、重い空気に霞んだ水平線へと続いている。

2007年  P50 (1167mm x 803mm)

 だいたいは暗くならないように、ホッとするような画面にしたいと思いつつ描いているが、ときおり強く、激しく、厳しい絵も描いてみたいと思うことがある。この絵は、そのような思いの時に描いた絵である。
 時雨というのは晩秋から冬にかけて降る雨。その雨に濡れた工事現場の地面は大型重機の通った深い轍で泥濘になっている。キャタビラの跡にしゃがみ込むような低いアングルで描いてみた。 

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